サーバー応答 207 Multi-Status

HTTPステータスコード207（Multi-Status）の詳細

HTTPステータスコード207は、複数のステータスを1つのレスポンスで示すために使用されます。このコードは、複数のリソースの状態に関する情報を1回のリクエストで提供する必要がある状況で特に有用です。

コード207の概要

定義と目的：このステータスコードは、サーバーがリクエストされた複数のリソースに対して異なる状態を持つことを示します。
使用時期：特に、複数のリソースを一度に操作したい場合や、複数のリソースの状態を確認したい場合に適しています。
レスポンスの構造：207レスポンスには、各リソースのURIとそのステータスが含まれます。

実践的な使用例

例1：複数のファイルの処理

ファイルのアップロードや削除など、複数のファイルに対して操作を行う場合に役立ちます。

POST /files
{
    "files": [
        "file1.txt",
        "file2.txt"
    ]
}

レスポンスの例：

HTTP/1.1 207 Multi-Status
Content-Type: application/json

{
    "statuses": [
        {
            "uri": "/files/file1.txt",
            "status": "uploaded"
        },
        {
            "uri": "/files/file2.txt",
            "status": "failed"
        }
    ]
}

例2：複数のリソースの同時更新

複数のデータベースエントリを一度に更新する際に、各エントリの状態を確認する必要があります。

PUT /resources
{
    "resources": [
        {"id": 1, "value": "updatedValue1"},
        {"id": 2, "value": "updatedValue2"}
    ]
}

レスポンスの例：

HTTP/1.1 207 Multi-Status
Content-Type: application/json

{
    "statuses": [
        {
            "uri": "/resources/1",
            "status": "updated"
        },
        {
            "uri": "/resources/2",
            "status": "not modified"
        }
    ]
}

例3：さまざまなソースからのステータス取得

異なるサービスからのデータを集約し、各サービスの状態を報告します。

GET /status
{
    "services": [
        "service1",
        "service2"
    ]
}

レスポンスの例：

HTTP/1.1 207 Multi-Status
Content-Type: application/json

{
    "statuses": [
        {
            "service": "service1",
            "status": "up"
        },
        {
            "service": "service2",
            "status": "down"
        }
    ]
}

言語別のエラー修正

Python

response = requests.get('/api/resources')
if response.status_code == 207:
    # エラー処理
    print("エラーが発生しました")

修正方法：

if response.status_code == 207:
    statuses = response.json()['statuses']
    for status in statuses:
        if status['status'] != 'success':
            print(f"エラー: {status['uri']}")

JavaScript (Node.js)

const response = await fetch('/api/resources');
if (response.status === 207) {
    // エラー処理
    console.log("エラーが発生しました");

修正方法：

if (response.status === 207) {
    const data = await response.json();
    data.statuses.forEach(status => {
        if (status.status !== 'success') {
            console.log(エラー: ${status.uri});
        }
    });
}

PHP

$response = file_get_contents('/api/resources');
if ($http_response_header[0] === 'HTTP/1.1 207 Multi-Status') {
    // エラー処理
    echo "エラーが発生しました";

修正方法：

if ($http_response_header[0] === 'HTTP/1.1 207 Multi-Status') {
    $data = json_decode($response, true);
    foreach ($data['statuses'] as $status) {
        if ($status['status'] !== 'success') {
            echo "エラー: {$status['uri']}";
        }
    }
}

問題点と制限

可能なエラー：複数のリソースの状態を一度に返すため、レスポンスの処理が複雑になる可能性があります。
レスポンス形式の制限：207レスポンスでは、各リソースのURIとステータス情報が必要です。
リクエストの最適化に関する推奨：リソースの数が多い場合、リクエストを分割して処理することを検討してください。

実際のアプリケーションでの成功例

多くのサービスがHTTPステータスコード207を利用しており、特に複数のリソースの管理や状態確認に役立っています。

サービス名	使用ケース	開発者のフィードバック
ファイル管理サービス	複数ファイルのアップロード	効率的で便利です。
データベース管理ツール	一括更新	状態を一目で確認できるのが良い。

HTTPステータスコード207は、複数のリソースに対する操作を効率的に管理するための強力なツールです。このコードを適切に活用することで、開発者は複雑なリソース管理の課題を簡素化することができます。